最近、懐かしい依頼が立て続けに来ています 昔取ったきねずかでしょうか? クランクシャフトが何本も???
クランクシャフトと言ってもアメ車じゃ〜ないです ジェットのです! レジャーで乗っている方にはあまりご縁がないでしょうが レースをやっている方にとっては基本中の基本!
クランクシャフトの芯出しです!
???と思われるかも??? ジェットのクランクは車のとは違い 軽量化のためにコンロッドがボルトで固定されていません。 そのため車のように1本物ではなく 何分割かになっていて圧入で組み立てられています。 もちろん圧入されているのでかなり堅いですが どうしても微妙なずれが出てしまいます ノーマルで乗っている分ならメーカー指定の許容範囲(100分の5〜10mm以下)に収まっていればOKなのです。 しかし、レース艇となるとそうはいきません パワーも上がっているし 回転数も高くなるし エンジンのレスポンスも変わってきます。 そこで新艇購入直後でも いったんエンジンをバラバラにしてクランクの芯出しからチューニングが始まるわけです。 冬場はシーズン前の新艇作りのため 新品のクランクが持ち込まれます。 だいたい100分の1〜2mm程度のずれに収まるようにチューニングします。
どうやってやるかって? なんと原始的な方法です! 写真のようなマイクロゲージを使って クランクをVブロックに乗せ センターを起点にクランクシャフトをクルクル回しながら 両外のずれを測定し どの方向にどれくらいずれているかを見ていきます 仕上げにVブロックを両外に置き 全体のバランスを見て終了です マイクロゲージの針の振れ方で1〜2方向のずれがあるかなども分かります ずれの方向が分かったので いよいよ修正です! なんとでかいハンマーでクランクを思いっきりひっぱたいて直すんです! 堅いときは40〜50回もたたきます 立て続けにたたくなら簡単なんですが 2〜3回たたいたらVブロックにのせ測定 また2〜3回たたいて測定 こんなことを延々繰り返します。 そりゃ〜もう力仕事というか 鍛冶屋さんみたいですよ。 マジ〜そんなことするの?とお思いでしょうが 実はメーカーもエンジン組み立て前にクランクをたたいているんです。 だから慣れてくると新品のクランクでも傷の入り方を見るとそのクランクの特性が分かります。 まあ〜メーカーさんは いいところ100分の5mm程度までしかやっていませんが・・・
普通 芯出しはエンジン専門業者の内燃機屋さんに持ち込んでやってもらうんですが 「そこはこだわりのレース艇です!」 なんて馬鹿なことを言い続けて15年・・・ 100本近いレース艇のクランクをたたいたかも・・・あ〜〜あ お疲れ様!
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